「森で子どもを育てるなんて、いったいどうしてしまったの?森の中には汚いものもあるし、イノシシもいるわ。ばい菌だっていっぱい。それに泥で汚れたらどうするの?冬は寒いし、凍えてしまうわ!夏は暑くて熱中症が心配ね!雨の日はどうするの?!お弁当だって食べられないし、風邪をひいたらどうするの!!」

こんな気持ちは、お母さんたちが一番最初に抱くあたりまえの気持ちなのではないでしょうか。でも、すこしゆったりと気持ちを構えてみてください。こんな考え方はどうでしょうか。

●森で子どもを育てよう

 

森で、子どもを育てましょう。

 

ここには、危ないものも、汚いものも、つらいことも、嫌なことも、みんなちゃんとあります。

それから、それよりもっとたくさんの、うれしいことや楽しいことや、トモダチやタカラモノが、あります。

 

だから、森で子どもを育てましょう。

 


雨が降ったって、へっちゃらさ。


泥んこ遊びや、ダム遊び。

色水遊びだってできちゃうの!


『雨の日は外で遊べないから嫌い!』


いやいや、森のようちえんだったら、カッパを着て行けばいいんだよ!


寒い日はどうするの??


森で薪を拾ってきて火を焚けばいいじゃない!


お弁当はどうするの??


お日さまががんばっている"陽だまり"があるから、大丈夫!

でも、それでも寒くなったら、走ろうか!



森には生き物がいっぱいいる。


みんないっしょに暮している。


いのちはみんな平等にひとつ。

それだって、触れて、わかる。


ほら、イノシシだって怖がってる。

みんな仲良くしよう。

森の中に友達といる。

 

ここにいると、とっても大きな気持ちになれる。

こんな気持ちでいられるから。こんな気持ちで大きくなれるから。

ケンカすることも、泣くこともあるけど、

毎日持つリュックは重たいけど、

自分のことは自分でしなきゃいけないけど、

 

それでも、私は森のようちえんが大好き。

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●森を育ちの場とする意義

森は、予測不可能なことがいつでも起こります。

森は、「生きよう」とするエネルギーに満ち溢れています。 

森は、「生きること」を教えてくれます。

 

春、枯れた森から芽吹く命の色づき。小さなニョッキリから感じる赤ちゃんの鼓動。

夏、命の謳歌をこれでもかと感じる夏。360度どこからでも流れ込んでくるたくましい生命。

秋、実りの秋。すべてが成熟して、実を落とす。包まれたものと燃えるような色。

冬、身構えた冬。さて、次にどうしようかと力を蓄えている。

 

いのちは、こんな森に堂々と息づいています。

カマキリの赤ちゃんが葉っぱの上を歩き、岩の間からカナヘビやトカゲが顔を出します。

チョウチョやトンボが飛んで、カワニナやサワガニやヨシノボリが水の中にいます。

イノシシもいます、リスもいます。

 

森の中は命に溢れています。

そして、みんな生きようと必死です。

なのに、みんなとっても輝いています。森にいる生き物は、みんなとってもきれいです。

 

一生懸命だから、がんばっているから。

 

それで、うれしくてうれしくてたまらない。生きていることに。

 

森を育ちの場とすることの一番の意義は、こんな生きるエネルギーを吸い取ることができることではないでしょうか。

 

「生きる力」を身に着けることは、とっても大切なことで、でも今すごく難しくなってしまっていることです。

 

=「生きる力」= 

 我々はこれからの子どもたちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらをバランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた。

*1996年:文部省(現在の文科省)の中央教育審議会(中教審)が「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」という諮問に対する第1次答申より

 

 

 

でも、ここなら大丈夫。生きる力が溢れているから。

だから、森で子どもを育てましょう!